「プロトタイプ1号」
昔の想い
スケッチを頼りに始めたパーツ集めでしたが、そもそも「ウィール」って何?というところからのスタートでした。昔、ローラースケートを得意としていた頃、小学4年生の夏に、お小遣いでは買えない「Roller Skate」。他人が遊んでいるのを羨ましく見ていました。何としてもローラースケートをやりたい一心で、自分で作ることになり、べニア板を靴底型に切り抜いて、8個のベアリングを工夫して装着。べニアにひもを通す穴を開けて、自分の履いている靴に縛って完成。コンクリートの地面があれば、どこでも滑れたのですが、何せ自作のニセモノですから、転んでばかりで肘と膝は傷だらけで、今のように「プロテクター」なんてない時代ですからしょうがなかったのです。そんなとき、本物のローラースケートに飽きた子供のおさがりをGet!それから、時間があれば滑っていました。自分でもバックや回転ができるとは思っていないことができた時には「天才」かな?と自惚れていました。
助かった命
年取って、身体への労わりを忘れると「死んでしまう」こともあるのです。幸い助かった命を大切にしようと思うようになるのかもしれません。入院している時にスケッチしたうちの1枚です。プロトタイプには程遠い形ですが、何せ意識が朦朧としているときに書いているので、意識はあるけど「つじつまが合わない」状態だったようです。医療では「譫妄」(せんもう)というらしいのです。痛みが背中に走った瞬間、雷に打たれたのかと思うような衝撃。「このまま死んでしまうのか?」と考えたのは事実です。とにかく、「今は死ねない」と朦朧としながらタクシーの座席に倒れ込み救急病院に運んでもらった。
何時間も必要な手術は成功して、命が助かったことを認識したときに書いたスケッチは、生死の境界をさまよっている空間で見たものでした。退院してからも、その未来の空間で見たイメージが忘れられなくて、何年もの間、パーツ集めをしていました。既存スノボーデッキをまず購入、インラインスケートの部品やウィール、ゴムパッド、バネ、ネジなど組立、分解、試行錯誤しながら3Dで造形して修正。それが「NEW SK8-Board」です。
